ポインセチアを枯らした。
クリスマスのイメージの花のくせに、熱帯原産の植物なので冷えに弱くて、温度の低い水を吸わせると根が冷えてやられてしまう。
1度根を傷めてしまった株は暖かい所へ置いてやっても戻らない。
今年はよく花を枯らす。
自分の世話もろくに出来ないのに、他の命を管理する趣味を持つなどと言うのは烏滸がましい、ということなのかも。
土だらけの指先を水に浸した。
血管が端から壊れていくような。
憧れていた。そうなりたかった。
同じ人間にはなれないけれど、私がひとつでも繋いでいれば、私の中で生きていてくれる気がしたから。
鏡の中の、似ても似つかないその人が
1/4くらいは同じはずだから。
もっと、花の名前を聞いておくのだった。
もっと、花を贈ればよかった。
今も空っぽの部屋で、山査子のハーバリウムだけが咲き続けていて、私はただ、萎れた葉を摘んでは永遠のお別れを呟くのだ。