コトダマリ

抜け殻の感性。

2023-01-01から1年間の記事一覧

夜の淵にて

年の瀬になると、日頃見ないふりをして来た黒い塊が穴から顔を出して、こちらへ手を振ってくる。ゼロでいるよりはマシだからマイナスを抱えているだけ。 とっくに諦めている。 望んでもそうなり得ないのは、自分がそれに値しないから。 生まれた時のクジ運と…

頬の内側を切った

予期不安というやつ。 過去の出来事に心臓がすり潰されるような。 子供の頃から、そこそこ頻繁にぶっ倒れる。起立性調節障害とかいう、自分の血液循環すら管理できないポンコツな体なので、何かしらの要因で血圧を調節できなくなった時、脳が酸欠を起こして…

ヒトコマ

今のこの憂鬱さは、泥濘に足を掬われているだけなのだ。 今のこの物悲しさは、季節の変わり目のそれと同じなのだ。 移ろい、虚ろう、ということ。私には見えないけど、もしそこに神様というやつがいるなら、きっととても気紛れだし、性格が悪いのだと思う。 …

好きな人の子供が嫌い

私が薄情な人間なのかな。などと考えている。 どんなに憎んでいる相手でも、その者の命の危機に瀕したその時になれば、少しは感情が振れることもあるかもしれない、と思っていた。 が、やっぱりそんなことは、全然なさそう。 血の繋がりなんて、遺伝子の形の…

努力が伴わないのでいつも絵空事

一番大切にした人の一番大切な人になりたいというのは、他の人には簡単に出来ているように見えて、何故か私には難しい。 子供の頃からそう。 親友の親友が私じゃないなんてこと、そんなことばっかり。私だけ、が欲しい。一番以外なんにも要らないのだ。 一番…

責任転嫁

何も選ばずに居ることは、選ぶ機会すらも失うことだからその選択で未来の自分が後悔することになったとしても、選んでおくべきだと思う。 自分の意思で選んだものは他人の責任には出来ないし 逆を返せば、他人任せにしたことが後に悪い結果を招いた時、きっ…

不信心なやつが祈ってる話

父方の祖父は、私が生まれるずっと前に亡くなった。子供の私にとって写真の中でしか見たことのない祖父は、この世に存在していた人間であるという実感がなかった。 それでも大好きな祖母が、祖父のことをそれは大切にしていて毎日何度も仏壇に手を合わせてい…

全方位厄

乾いた糸を弾くような合成音に支配されている。 緑色の悪魔に取り憑かれ、青い鳥に見透かされている。 手のひらサイズの薄っぺらい知能。 そういう世界で生きている。この星を支配している種の大半は、高等な文明を手に入れただけの猿だから 善と悪のどちら…

特大名詞アソートパック

永遠の約束をして叶った試しがない。と言っても、まだ永遠と呼べるほどの時を過ごしていないし。 そもそも終わらないことを永遠と呼ぶなら、いつか命の果てる私たちが永遠を語ること自体、不毛なことなのだけれど。だから、「永遠の愛」なんて存在しえない。…