コトダマリ

抜け殻の感性。

そして腐りゆく。

UVライトの下で半透明の生命体が舞っている。

これは自分の網膜を走る赤血球の影らしい。

 

記憶の中の微かな残像を反芻する時間。

 

失って初めて大切さに気付く、みたいなアレ。何な訳。

そんなに大切でも必要でもない物だって、誰かに奪われるのは癪に障るし、まあ無いよりは有る方が良いし、とりあえず手元に置いて後からやっぱり手放すことは簡単だし

そんなのただの愛着であって。

愛じゃねーよそんなもん。

 

無尽蔵に蔓延る地植えのミントが庭を巣食っている、潜んでいる、地下茎に搦め捕られて息もできない。

 

何も分かってないな。

大切だとすら思うことすら諦めたから、私はあの日々を手放したんだよ。

 

枯枝に水を与え続けている感覚。