2021-01-01から1年間の記事一覧
幼い頃にたった1度見た夢を未だに覚えている仄暗い雑居ビルの黄色い螺旋階段を降りている。 知っているようで知らない場所、 床の表面はなめらかな塩ビで、なんだかかぼちゃプリンみたいな。目を凝らしながら一段一段確かめるように。左足が次の段に触れた瞬…
「運命の線路が交差する時 また会おう!」 ってホーローおじいちゃんが言ってた。 思うに 人も物もありとあらゆる 時を持つものはみな 線を描いていて 何かが起きる時、何かが変わる時、心が動く時 それは必然にして偶然、複数の線が重なり合う地点。簡単に…
誰かに傷付けられた気になっているけど 別に今目の前にいる誰かに傷付けられているわけじゃなくて 過去の自分自身に傷付けられているってことに、気付いた。遥か昔に傷付いたことを今に重ねて あの時ああだったのだから、どうせ、 という態度を取って自ら悪…
今の平穏が永遠であってほしいと願うことと その願いを成就するために他人を縛り付けることは違う。立ち止まりたいと思うことも間違いではないが まだ見ぬ場所まで歩みたいと思うこともまた当然であるし私の望みを叶えるために誰かの望みを掻き消すことはし…
誰かに届けるためでは無い、自分のためだけの言葉を重ねることで延命してきた。 最初に書いたのは、小学生の時だったと思う。苦しさをインクに溶かして流し去る魔法を手に入れた。だからなんだというわけでもないけど、これは私の命そのものだった。 それを…
自分はどれだけ年齢を重ねたって、内面は1ミリも成長してないんじゃないかと思う。社会不適合のまま無事20代後半。 なんとか人権を得られたところだし 睡眠も食事も自分でちゃんと出来なくて 実質ゼロ歳児と変わらないレベルかもしれない。こんなんで、今更…
生存の否定。死にたいとか生きたいとか感情論以前に、死んだ方が全てが良い方向に行くからこそ死ぬべきと思っていて、けれど自分の中の小さな希望的観測者がしょうもない絵空事を並べては抗っている。 なんとか目の前のやることに手一杯になることでその選択…
"汝の隣人を愛せよ" 隣人を愛することが出来たとて、本当の意味で自分自身を愛せる日は来ないであろうなと思う。タイムラインを下に引っ張って、うつろな時間を測ってはや3時間。別に私は、私を救ってくれる誰かをを待っているわけでもなくて、 「こんな私で…
なぜなら 私はもう失い方を知っているから。 なぜなら 私のこの漠然とした不安の出処に本当はとっくに気付いているから。そうだとしても 自分にも他人にも世界にも幻滅せずに、今一瞬この時を信じていられるって、そんな証拠がどこにあるというの。感情論で…
大体は杞憂に終わるのだけれど、最悪のパターンをいつも頭の片隅においていて、だから想定外のことが起きた時真っ先にその最悪のパターンが頭をよぎる。極論、連絡がつかない相手は死んだ可能性も無きにしも非ず、とか。命はいつか絶える日を迎え、今触れら…
ふとした瞬間に特段これといった理由もなく 「死ぬかぁ」みたいな気持ちが湧いてくることがあって その気持ちがやって来る度、ほんの少しずつ生きることがどうでもよくなっていく。 そうして世界にも他人にも自分にも期待が出来なくなって、自分が本当は誰も…
一寸先は闇だというけれど 闇の中に歩みを進めてみなければ、それが本当に闇なのかだって分からないわけで。 ゲームによくある"一度は歩いてみないとマップが解放されないシステム"はリアル準拠なのかも。だから私にとっての目的地は、最初から今まで、ずっ…
タンパク質が炭化していく匂いに懐かしさを覚えたりする。 髪を抜いて、火をつけてみたこと、きっと誰でもあるよね?すっかり様変わりした部屋も引き出しの中はあの日のまま。そんなもん。外側をどんなに塗り替えたって、見えないところは変わりゃしない。 …
いつ終わっても良いと思っている。 何かに期待をしていないし、希望も持っていない。けれどそれは抑圧によって発生した諦めではなくて、特別どうにかしたいという欲もないのだ。 (そうに至ったのはこれまでの人生の積み重ね故かもしれないが) 痛いことも苦…
人の身体は、案外あっという間に冷たくなって、動かなくなってしまうものなのよね。 正しい最期というものが何なのかは解らないけれども、綺麗な終わりには出来なかった。 今もそれをずっと悔いている。 一番書き残したい記憶は、言葉にできない。 そうする…
夢は脳みその見せる幻覚みたいなものだと言われるけど 本当は寝ている間に私たちは、夢の世界、"あちら側"に意識を送り込んでいるのかもね。 そうして向こうの世界で見た事は記憶媒体からすっかり綺麗に消されて戻ってくるとしたら。 うっかり消え残ったキャ…
悴む指先が記憶しているもの 皺げた姫林檎の優しさ 白い息で窓に描いたマーク 冷えた鍵盤と小さなヒーターの前を往復して 握った霜柱のパリパリと崩れていく音 レンズ越しの玉暈け 私にとって冬はそういうものだった 今思い出すのは暗い廊下ばかり 私の冬を…