コトダマリ

抜け殻の感性。

2024-01-01から1年間の記事一覧

ずっと書きたかったことをやっと書けた。

ふと夜中に昔のことを思い出して悲しくなった時、イヤホン越しのノイズに孤独を救われる事を恋と呼んでいた。 雨晒しの時間も、血塗れの過去も、 日々情報の積もっていく記憶媒体の中で奥の方に追いやってしまっただけで、ほんの少しのきっかけで呼び起こさ…

藁半紙の粗い表面を懐かしく思った

同窓会で10年前の自分から手紙を受け取った。 そんなものを書かされた記憶すら皆無だったが、筆跡とインクの色から、どのペンで書いたかは思い出せた。 「今の仲のいい人達とまだ付き合いがあればいいな」とか「太るな、整形しすぎるな、年老いても美意識の…

そして腐りゆく。

UVライトの下で半透明の生命体が舞っている。 これは自分の網膜を走る赤血球の影らしい。 記憶の中の微かな残像を反芻する時間。 失って初めて大切さに気付く、みたいなアレ。何な訳。 そんなに大切でも必要でもない物だって、誰かに奪われるのは癪に障るし…

病熱を解く

優しい言葉の奥で虚ろな瞳がいつもこちらを見つめている。 人の感情の寿命は季節が巡る頃には尽きてしまうから、そう、何も期待しないよ。 期待は毒だから、私も誰かも、蝕んでいくし。 求めているものを与えられること。 求められた正解の科白を知っている…

3人目の私が心を病んでいる

サンクコストに踊らされたり、自分の価値を驕って捉えたり これまでの日々を振り返った時、まぁ愚かなことだと思う。 もちろんそれまでの時間でしか得られなかったものもたくさんあるんだけどさ。だとしても。それでも。認知的不協和の解消と言えば一見正し…

始まりと終わりのエネルギーはイコールらしいので

平穏な終わり などというのはこの世には存在しないって よくよく知っていたつもりだった。 つもりだっただけ。あぁ、全部間に合わなかったのかも、と思った。 2月の深夜の廊下が、街灯の下の冷たさが、重なって見えた。 それでも仕方なかったか、と諦めがつ…

あの日の自分に問うている

どこにでも有り触れた そんなに大したことじゃなかったのかもしれない。それでもあの夜の、一瞬々々の全てを未だ覚えている。全てが手遅れだった。声。 裸足で駆け降りたコンクリート。 一目見て、全てが崩れて行くのを感じた。 ぬるい水面。曲がり角。濡れ…

ヒューマンエラー(相違)

電源を引っこ抜いたら間違いなくデータ破損するけど 通常の終了プロセスの途中でエラーを繰り返して終われないパターンってどうしたらええんじゃろな。仮にそうするしかないとして 今まで積み上げて来たものを崩してまで手に入れたいものなんかあったかな。…

夢の角で打撲をした

夢の中がいつも暖かくて幸せなのは、それが現実でないからだ。眠っている間の、ほんのひととき 意識の隙間の、一瞬の繋ぎ合わせ。もし、その暖かな夢がこちら側に落ちてきて現実になったとしたら 夢は夢でなくなり、温もりは失われる夢の中でいつも幸せでい…