今のこの憂鬱さは、泥濘に足を掬われているだけなのだ。
今のこの物悲しさは、季節の変わり目のそれと同じなのだ。
移ろい、虚ろう、ということ。
私には見えないけど、もしそこに神様というやつがいるなら、きっととても気紛れだし、性格が悪いのだと思う。
だから、こんなにも目まぐるしく時は過ぎてしまう。
ちょっとついていけないよ。
貧弱な私は、早回しのコマの間で息切れしている。
だからと言って、これまでの全ては嘘じゃなかったよ。
ただ偶然の連続が織り成していた、それが途切れた。それだけ。
もう少し足が速かったら追いつけたのかも。
そうしたらこの偽物の部屋からも、逃げ出せたのかも。