やりたいことがあった。
自由に空を飛ぶこと。
裸足で地面を駈けること。
叶えたいことがあった。
好きな場所で生きること。
好きな音楽を聴きながら死ぬこと。
たくさんの hope と want が
そこらへんに転がっていて
ひとつを拾おうとすれば 別のひとつを落として
落としては拾い 拾ってはまた落として
懲りもせず全てを手にしたがった。
そしてただ
手元の幸せが 指の隙間からサラサラと溢れていくのを見ていた。
水が掴めないように 砂が逃げるように
実体のない 恐怖が 希望が 現実が 私を騙して嗤っている。
何かを選ばなければならない時、何かを捨てなければならない。
取捨選択を間違えば命を落とす。
人生はそういう繰り返しで出来ているのだと思う。
手に入れたかった ガラクタも
貫きたかった くだらない信念も
解きたかった 錆びたチェーンも
そういう思い出もひとつひとつ手放して
たったひとつ 手元に残して
何年間の感情を葬って
明日も生きていかなくちゃいけなくて。