暗闇で目を瞑ると 瞼の裏に無数の色の粒が蠢くノイズが見える
色の怪物に囲まれて それは今にも世界を飲み込もうとしている
よく知った部屋のはずなのに すぐそこに私の痕跡があるはずなのに
ここは何者かに支配されている
カーテンが涙を流して、空調が唸っている
それに反響して天井が今にも落ちてきそうなくらい震えている
手を伸ばせば天井に届きそうな気がして 手を伸ばすのだけれど 届くはずはなくて
目を開くと瞼から逃げ出してきたノイズがもう現実に蔓延っている
深夜の暗闇は 昼間よりずっと喧しい