夏が嫌い
暑いし 日差しが強いし
それになにより蝉がいるし
あれは求婚のために 鳴いているというけれど
私には、7日後に訪れる死を恐怖して 泣いて いるように聞こえる
だから 窓を開けて あの耳障りなジリジリが聞こえると
無数の「助けて」が聞こえてくるようで
耳を塞いでしまいたくなる
7日間 死から逃れようと必死に泣き続けたそれは
抗うも虚しく 静かに アスファルトに転がっている
何年も助けを求めることすら出来ないでいて
やっと声を発せるようになったと思ったら 死んでしまう
無惨で 無力で その亡骸は気持ちが悪い
何も出来ずに死んで行く まるで 私の未来を見ているようで
とても気持ちが悪い