コトダマリ

抜け殻の感性。

寝言「アレクサ、安楽死させて」

AIアシスタントに話しかけるだけで色んなことが片付くような世界線を、眠りながら描いていた。

 

ただの夢の話です。

 

生活のありとあらゆる動作は音声だけで操作できるようになる。

コンピュータの前で座っているだけで生産と消費は自動で繰り返されるので、もはや人間に与えられる仕事は想像を働かせることだけ。

全ての病は治療する事が可能で、寿命をコントロールすることも可能。

 

同じくして命はいとも簡単に人の手によって機械的に生産されるようになる。

 

お湯を注いで3分待つだけとか。

試験管のなかで細胞が増えていくのを、家のリビングで眺めるとか。

あまりにもSFチックだけれど。

 

生命は人の手でコントロールしきれない未知の領域であり、仮に失えば二度と手に入れられないから重んじるべき物で在りえるのであって、命が管理できるようになった世界で、命を失うことはさほど恐ろしいことではない(はず)。

ちょっと調子の悪いタブレットを再起動するみたいな、そんな感覚で、不具合の多い人生をシャットダウンする。

 

かつて人であったであろうものを蹴り飛ばして歩く。

不良品の私も足元に転がっている。

あれは機械の腕に拾われて、なにかリサイクルにでも回されただろうか。

 

そんな世界がいつか現実になるだろうか。

(なったとして、それは私が死んだずーっと後の話だろうけれど。)