自分の弱さを受け入れるだけの強さが欲しい。
人に甘えるとか弱い部分をさらけ出すみたいなそういうことがどうにも下手くそで、つまり可愛げがない。
適当に隙を見せたふりをして相手の信頼を獲得する、それでいて相手の懐に潜り込み実のところ自分は何も真意を見せちゃいない
なんていう世渡り術は学習して会得したけれど、本当の自分の弱い部分はベッドの下の奥の方に悪いテストの点数と一緒に押し込んでおいた。
他人に格好悪い自分を見られたくないというのは勿論なのだけれど、何より自分のみっともない部分を自分自身の目に触れないところに隠しておきたいのだ。
自分に、自分を偽り続けている
逃げている。
自分の弱点と向き合うことも、他人からの評価を聞き入れることも、自分がひとりでやっていけない精神的に未熟な人間だという事実も、何ひとつ成し遂げられなかったという現状も。
全てから逃げている。
子供の頃みっともないと嘲笑していた大人に今の自分がなってしまったということに、私はまだ気付かない振りをしている。
ひとりでいきていける人間になろうね、とあんなに思っていたくせに。
そうして私が他人に求めているのは希望でも救済でもなくて、現実逃避に過ぎない。
仮に苦難から逃れられたってその先やっていける確証もない。覚悟もない。それだけの能力も自分にはないと思っている。
この先も人間をやっていけるだけの自信がない。
だから他人に救われなかったことを理由に、不運から抜け出せなかったことを理由に、当たりの籤を引けなかったことを理由に、自分自身の無能さから逃げているだけ。
そんなに逃げたいなら、こんな狭い部屋に閉じ籠って迫り来る怒号に怯えてなどいないで、走り出せばいいのだ。
そして、向こう側へ落ちるまで走って逃げ続ければいい。
それだけの覚悟も行動力もないからこんな事を書いて、尚も目を背けているんだけど。